松尾研究室



研究紹介

研究テーマ

生物は環境の変化に対応できるような優れた能力をもっています。このような能力をもっている生物の情報処理システムは大変興味深い研究対象です。松尾研究室ではこのような情報システムを解明し、工学的な応用を目指して研究を行っています。

コウモリのエコーロケーションメカニズムの解明と応用

多くの動物は眼からの情報を用いて空間を認識していますが、コウモリは超音波(人では聞き取れない高周波の音)を出し、反射してきた音(エコー)を用いて空間を認識することができ、暗闇の中で餌である昆虫を捕獲することができる。この時にコウモリは数ミリ秒で約十万ヘルツに数万ヘルツから周波数が変化する(FM)音を間欠的に出している。コウモリも餌である昆虫も動いてることから、一回出した超音波に対して反射してきたエコーから物体の位置や形や動きを判断できていると考えられている。これまでに松尾研究室では以下のようなテーマで研究を行ってきました。このような研究を通して、3次元空間を認識可能な超音波送受波システムを提案していきたい。

  外耳の伝達関数を用いた複数物体の3次元空間認識メカニズム

 
コウモリ型模擬外耳の製作と評価
 
奥行が近接する任意数物体の奥行き推定









イルカのエコーロケーションメカニズムをいかした新世代魚群探知技術の開発

イルカは、音を自ら出し反射してきた音(エコー)を聞くことによって、周りに何があるかを知り、餌である魚を捕獲している。音には水中で数十メートル以上離れても伝播する特性があるので、イルカはエコーを聞くことによって遠くの魚群を探知し追いかける事ができる。このようなイルカが空間を認識する際の情報処理システムは工学的にも大変有用である。このメカニズムを解明し工学的に応用することで、新しい魚種判別機能を有する高分解能探知技術の実現を目指しています。