外耳の伝達関数を用いた複数物体の3次元空間認識メカニズム

コウモリは動いてる餌を捕獲できることから、物体の3次元的な位置情報をエコーから得ている。物体の奥行きは、音を出してから耳に到達するまでの時間、つまり、遅延時間から決定できる。しかしながら、2つの耳で受け取ったエコーから推定された奥行きからのみでは3次元上で位置を定位するには情報が不足している。水平・垂直方向を含めて位置を決定するためには物体の奥行きの情報だけでなく、エコーから方向の情報を抽出する必要がある。方向を決定するための手がかりとして、耳の形状に依存したエコーの大きさの変化(外耳伝達関数)がある。この外耳伝達関数と奥行情報から複数物体の3次元位置定位ができる計算アルゴリズムを提案した。