講演会・シンポジウム

被災地研究シンポジウム 取材とトラウマ

- タイトル
- 取材とトラウマ ―ジャーナリズムと民俗調査の親和性と差異―
- 日時
- 2013年1月21日(月)18:00~20:50
- 会場
- 東北学院大学 土樋キャンパス 8号館5階 押川記念ホール 【地図】
- 共催
- 東北学院大学アジア流域文化研究所「新時代における日中韓周縁域社会の宗教文化構造研究プロジェクト」
(文部科学省:私立大学戦略的研究基盤形成支援事業) - 東北学院大学博物館
- 開催趣旨
- 東日本大震災以後、被災地では人文科学の研究のためのさまざまなインタビューが行われてきた。多くの研究者が、地域社会の災害後の対応や、生活再建における地域住民の価値観、生活のイメージの再構築、芸能の復興や復興市などの新たな実践を取材し、記録にとりくんでいる。震災当初、研究者は「学問に何ができるか?」と使命感に燃えて地域に入っていった。しかし最近では、人々の語りにはむしろ平時の地域社会が抱えてきた問題が先鋭化している印象があり、研究者の問題意識も変化してきている。
今回のシンポジウムでは、これまで論じられることのなかった「取材とトラウマ」について問題提起する。東日本大震災では、ジャーナリストが悲惨な現場で一次的に受ける「惨事ストレス」と、インタビューなど取材活動を通じて受ける「二次的トラウマ」について、臨床心理学者らのグループが提言を行ってきた。
人文科学に目を移すと、文化財レスキューなどの被災地での直接的な作業は「惨事ストレス」と隣り合わせであり、地域の人々へのインタビューは、話者のストレスと調査者のストレスの両方を含む「二次的トラウマ」の問題をはらみうる。本シンポでは、まずはジャーナリズムと民俗調査の共通点と違いを整理したい。
民俗学のインタビューでは、調査者は人々の生活の理解のためにいったんその話に没入する必要がある。トラウマを避けつつ、一定の感情移入や追体験が不可欠なのである。そこにあるストレスを、いかにしてバネにかえられるか。そこから、新たなものの見方を獲得したり、問題の発見や解決につなげたりしていけるか。そこに、人文科学の可能性を模索してみたい。 - プログラム
- 18:00
- 前座 映像紹介:文化財レスキュー展の試み
- 東北学院大学民俗学実習文化財レスキュー班学生
- 18:10
- 問題提起「民俗調査とトラウマについての議論の不在」
- 加藤幸治(東北学院大学文学部准教授)
- 18:20
- 講演1「惨事ストレスとジャーナリズム」
- 井上果子(横浜国立大学教育人間科学部教授)
- 19:30
- 講演2「記者の取材と民俗学の調査 ―東日本大震災の現場から―」
- 佐藤敏悦(東北民俗の会常任委員長・東北放送株式会社取締役)
- 20:10
- 休憩
- 20:20
- ディスカッション
- 備考
- 入場無料・申込不要。駐車場がございませんので、ご来場の際は公共交通機関をご利用ください。
概要報告
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- 映像紹介
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- 問題提起 加藤氏
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- 講演1 井上氏
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- 講演2 佐藤氏
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- 文化財レスキュー資料展示
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- ディスカッション
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- 質疑応答