設備紹介

電子ビーム蒸着システム

 本装置は、高融点金属の蒸着が可能な電子銃(EBガン)およびクヌーセンセル(K-セル)により最大8元までの元素が同時搭載可能な蒸着装置であり、任意の順序による多層膜の作製、および同時蒸着により組成を制御した合金膜の作製が可能である。また、本装置は試料交換室と成膜室の2室から構成され、その2室間はロードロックで接続されているために、大気の暴露無く試料交換が可能である。


試料作製は超高真空中(UHV)下で行うために、成膜速度が0.01nm/sec以下の低速な成膜レートにおいても試料の酸化の影響がほとんど無く、さらに、電子線回折を利用した成膜中の試料形態および結晶構造のその場観察が可能な反射高速電子線回折(RHEED)を装備しているために、回折現象を利用して1原子層の層厚制御が可能である。以上の特徴を利用して、本システムにより自然界には存在しない人工的な結晶構造を有する合金の作製が可能である。

形式

LEBS-600((株)ビームトロン社製)

仕様および性能

  1. 成膜室到達真空度:≤1.0E-7Pa(超高真環境下で試料作製)  
  2. 構成:成膜室および準備室の2室構成(ロードロック仕様)
  3. 基板加熱温度:最高800℃
  4. 蒸着元:3連EBガンx2+K−セルx1(6元以上の元素同時設置可)
  5. 反射高速電子線回折(RHEED)搭載
  6. 4ch同時計測可能な膜厚計が装備