設備紹介

電子ビーム描画装置

 電子ビームリソグラフィー法とは、半導体集積回路等を作製するために、電子線を用いて微細なパターンを形成する技術の1つである。本装置は特に極細線描画、高精度高安定位置決め、高速広域描画等の特徴を備えており、例えば、電子ビームを微小に収束させることで、最小線幅10nmのパターンの形成が可能である。また18ビットDAC(デジタルーアナログ変換回路)により最高0.31 nmのビーム位置決め精度と、レーザー干渉計により0.6 nmのステージ位置読み取り精度を達成している。  描画のプロセスは、電子線に感光するレジスト液をスピンコーターにより試料表面に均一厚さ塗布し、その後電子線でパターンを描画した後に現像し、目的のレジストパターンを形成する、というものである。レジスト液の膜厚はスピンコーターの回転数により制御する。


 また、本装置はナノメーター領域の描画精度を実現する為に、クラス100以下のクリーンブース中に装置を設置すると同時に、建物設計時に免震床構造の導入、装置に組み込んだアクティブ除振台およびパーマロイ磁気シールドにより振動・騒音・磁場等の外部の環境からの影響を極力低減させるように配慮した。また紫外線(UV)に敏感なレジスト液を使用するため、照明にはUV吸収膜貼り付け蛍光灯を使用し、窓ガラスにもUVカットフィルムを装着している。

形式

ELS-7500EX((株)エリオニクス社製

仕様および性能

  1. 加速電圧:50kV/最小ビーム径:2nmφ
  2. 電子銃方式がZrO/W熱電界放射型
  3. 最小描画保証線幅が10nm以下を保証
  4. 電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)としても十分に使用可能
  5. 環境の影響をより低減できるアクティブ゙型除振ユニットを内蔵
  6. レーザー干渉計による1nmのステージ読み取り分解能を有する
  7. システムの操作が簡単で、専用のオペレータを必要としない