研究内容
研究主旨
本研究室では、再生可能エネルギーを活用した持続可能な電力供給システムの研究を行っています。風力や太陽光発電の出力変動が電力系統に与える影響の評価や、分散型電源の安定運用技術の開発を進めています。また、地域の自然エネルギーを活用したマイクログリッドの構築や、蓄電技術を用いた電力の安定供給、さらにパワーエレクトロニクスや超電導技術といった先端技術の応用による、高効率で信頼性の高い電力システムの実現も目指しています。
学部生
クリーンエネルギー発電、電力系統、パワーエレクトロニクス工学電力応用技術の基礎知識の学習や、週1回程度のゼミでの発表を通して、自主的な研究能力を育成します。専用のソフトウェアや実験装置を用いて研究を実施し、得られた成果は就職後も役立ちます。
大学院生
専門知識の学習に加え、国内外の文献調査を通して自主的に研究を実施します。研究活動を通して、独立した研究開発能力を育成します。成果は論文としてまとめ、国内外の学会で発表する機会もあり、研究者・技術者としての成長に繋がります。
注目のテーマ
ハイブリッドマイクログリッド
再生可能エネルギー発電には変動性と不確実性が伴うため、系統安定のためにはマイクログリッド技術が必要です。本研究室が提案・構築したハイブリッドマイクログリッドの実験システムを用いて系統の常時安定運用のための研究を行います。

研究テーマ例:
- 複数の電力貯蔵装置(EDLC+Battery)の協調制御によるハイブリッドマイクログリッドシステムの電圧・電力安定化効果に関する研究
- 太陽光発電+DC/ACインバータ+計測装置による太陽光発電システムの安定化制御効果に関する研究
- NNなどのAI技術を用いた太陽光、風力発電量の予測に関する研究
次世代配電系統の電力品質悪化対策
再生可能エネルギー発電やEV、誘導モーターなどの変動負荷などが大量に導入された次世代配電系統においては、電圧上昇/変動や、力率悪化、高調波・三相不平衡による効率低下・故障頻発などの問題が挙げられます。本研究では配電電力品質を改善するために、パワーエレクトロニクスを駆使した新電力機器に関する技術について研究します。

研究テーマ例:
- 配電電力品質向上のためのMMC回路を用いたトランスレス方式STATCOMに関する研究
- SC+SVC+STATCOMの協調制御による配電電力システムの安定化に関する研究
- 配電系統安定化のためのEVまたは配電用電力貯蔵装置の充放電電力制御に関する研究
自励式HVDCを用いた洋上風力発電システム
日本はその地理的条件から、洋上風力に関して世界有数のポテンシャルを持っています。本研究では、自励式HVDCを用いた洋上風力発電の電力システム回路およびその安定化制御について研究を行います。

研究テーマ例:
- 洋上風力発電システムの構築及び安定化制御に関する研究
研究方法
コンピュータを用いた研究
CPAT, XTAP, MATLAB, Simulink, PSCAD等のソフトウェアを用いて研究を行います。

実験装置による研究
パワエレ実験装置、コンバータ実験装置、太陽光発電実験装置、小型風力・太陽光システムを含むクリーンエネルギー発電実験システム等を用いて研究を行います。
