最初のプログラムとその実行まで


 
VBAを学ぶ上での注意点(重要

(1) 本質的に重要でない専門用語は解説しないので、興味がある場合は各自で調べること。

(2) プログラムは自由度が極めて高いので、同じ結果を得るプログラムは無数に存在することを念頭に置く。また、初学者にとって市販の本などを参考にすることは、よいプログラムを書く上で重要であろう。

(3) 本講義では、初学者のみを対象としたプログラムの記述を行う。したがって、市販の解説書などに書かれているプログラムの作り方(テクニック)とは異なる点もでてくることと思う。その点を考慮して講義をうけてほしい。
 

 
VBAを学ぶ上で必要なもの[コンピュータ・OS以外で]

      本講義では、主に Excel に搭載されたVBAをあつかう。
   必要なものは全て Excel に搭載されている。
   (ただし、VBAのヘルプ機能は標準ではインストールされていないことがあるので注意。)

 ● 
プログラムを組む前に

(1) 学習用のVBA専用フォルダを作成しておくとよい。

(2) 本講義におけるVBAプログラム作成手順の確認
   a.Excel を起動する。
   b.メニューより”ツール”−”マクロ”−”Visual Basic Editor”を選択する。
   c.”Visual Basic Editor”のウィンドウに移行するので、
     そのメニューより”挿入”−”標準モジュール”を選ぶ。
   d.プログラム編集画面が表示される。

   ※ いろいろなやり方が存在するので、上は一例に過ぎない。

(3) ヘルプ機能の確認
   Excel において
   メニューより”ヘルプ”−”Microsoft Excel ヘルプ”を選択する。
   ”目次”の中に”Microsoft Excel Visual Basic リファレンス”の存在を確認する。
   [ない場合は、インストールしてみる(詳細はここでは解説しない)。]
   今後、このリファレンスを活用する。

 
● プログラム実行までの全流れ(ファイル名が "hello.xls" の場合の例を含む)

(1) 机上の考察
   プログラムを記述する前に、そのプログラムで何をどのように実行したらよいのかを考えよう。実際にはこの部分が大切であり、大変なのである。

(2) Excel の起動とファイルの仮保存
   Excel を起動すると、初期段階では"Book1.xls"というファイル名が仮付けされる。
   この段階では何のデータも存在しないが、”名前を付けて保存”を行っておく。
   (一例として、"hello.xls"とつけてみる)

(3) プログラム・コードの記述開始
   メニューより”ツール”−”マクロ”−”Visual Basic Editor”を選択する。
   ”Visual Basic Editor”のウィンドウに移行するので、
   そのメニューより”挿入”−”標準モジュール”を選ぶ。
   プログラム編集画面が表示されるので、記述を開始する。

(4) 記述(編集)中
   後述する文法にしたがって記述する。

(5) 記述の終了
   メニューより”ファイル”−”終了して Microsoft Excel へ戻る”を選択する。

(6) ファイルの上書き保存
   VBAプログラムを実行する前に必ずファイルを上書き保存しておく。
   これは、プログラムによってExcel のシートが意図しない内容になることを
   防止するために行う。

      ※ ”Visual Basic Editor”のメニューでファイルを保存することもできる。

 (7) プログラムの実行
   メニューより”ツール”−”マクロ”−”マクロ”を選択する。
   目的のマクロ名を選択して、”実行”ボタンを押す。
   
   ここでエラーメッセージが出たら、”デバック”ボタンを押すか、
   一旦”終了”ボタンを押してから、メニューより”ツール”−”マクロ”−”マクロ”を選択し、
   目的のマクロ名を選択してから”編集”ボタンを押して、再度編集する[(4)に戻る]。
   
   (重要)この段階でExcel のシートが意図しない内容に書き変わってしまったならば、
   ”ファイル”−”閉じる”を選択し、”いいえ”(保存しない)ボタンを押す。
   再度、該当ファイルを開き、メニューより”ツール”−”マクロ”−”マクロ”を選択し、
   目的のマクロ名を選択してから”編集”ボタンを押して、再度編集する[(4)に戻る]。 

(8) ファイルの再保存
   プログラムが意図した通りに実行されたならば、上書き保存する。
   ただし、(6)で保存されているので、得られた結果が重要でない場合は保存しない。
   
   ※ プログラムが正常動作する可能性がなければ、(1)から考えなおす。
   

    ※ マクロを含むExcel ファイルを開くとき (重要
     以下のようなメッセージが表示されることがある。
     自分で作ったマクロを実行するときは、必ず、”マクロを有効にする”を
    選択する。作成者が不明のマクロは、マクロを無効にするを選択すること。
      

     

 

  最初のプログラムとその実行

   下のテキスト(プログラム・コード部分)を記述して、
   hello.xls のような名前を付けて保存しておく。
   
   書き込みを行ってもよいExcel のワークシートを表示しておく。 

   メニューより”ツール”−”マクロ”−”マクロ”を選択する。
   ”MainProc”というマクロ名を選択して、”実行”ボタンを押す。

   とすることでA1セルに"hello, world" と表示される(A1セルの内容を確認してみる)。

   ※ 以下のプログラム中の”MainProc”という名前は、こちらが決めたものである。
     本講義では、特別な場合を除き、この名前の部分(Sub プロシージャ)を
     最初の実行箇所に固定する。

   ※ "hello, world"について


   最初のプログラム("hello, world" の表示)
001:
002:
003:
Sub MainProc()
    ActiveSheet.Range("A1").Cells(1, 1).Value = "hello, world"
End Sub
001:
002:
003:
 
hello, world を表示
 

 

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