平成14年度 人間情報学研究所主催 第8回講演会


生物と重力環境
―生物学的意味と行動学的意義―

 地上に生存する全ての生物は重力の桎梏から逃げ出すわけにはゆかない。系統発生的には重力に適応できた生物だけが生存を可能とし、適応できなかった生物は死に絶えて行ったと考えることができる。
   一方、個体発生的には重力に対して抵抗し、克服し、利用し、最後には重力に負けて「生」の終末を迎えるという一連のシーケンスを考えることも可能である。
  我々が地上で生活を営なむかぎり重力というパラメータが生体にたいして平等に負荷をかけているために、ややもすると「重力」という概念を無視してしまうということがある。生物的な機能や中枢のプログラムはすでに重力を勘案しながら生成されていることも忘れてはならないのだが、このことに気が付くのは、地上の重力を離れた環境に移行した時になってからである。日本人搭乗科学者としては初めて一定の時間微少重力環境下に滞在した毛利衛を被検者としておこなった実験を紹介しながら「重力」の重要性について解説してみたいと考えている。



講師: 古賀 一男 氏
(名古屋大学環境医学研究所附属宇宙医学実験センター助教授)
※講師はスペースシャトル「エンデバー号」で宇宙飛行士毛利衛氏が行った実験を計画・指揮した人物です。

日時:2002年10月2日(水) 14:20〜15:50
会場:東北学院大学泉キャンパス 2号館2階229番教室
入場料無料



主催・問い合わせ先:
東北学院大学泉キャンパス 人間情報学研究所
〒981-3193 仙台市泉区天神沢2丁目1-1
(仙台駅より地下鉄「泉中央駅」行き乗車、約15分「泉中央駅」下車。「泉中央駅」よりバス10分。交通案内等はこちら
TEL/FAX: 022-375-1170
E-mail: ghi-office@ghi.tohoku-gakuin.ac.jp

<講師プロフィール>
1946年生。広島大学教育学部心理学科卒業。1971年京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。京都大学教育学部文学部助手を経て、1978年名古屋大学環境医学研究所に転任。1991年8月より現職。
専門領域は知覚心理学、眼球運動関連研究、重力生物科学。著書に「視覚情報処理ハンドブック」(朝倉書店,2000)、「新・生理心理学(3)」(北大路書房,1998)、論文「宇宙空間における視覚安定性の研究」(古賀一男,間野忠明,毛利衛,木田光郎,太田芳博,辻敬一郎,後藤倬男,苧阪良二 共著, 日本航空宇宙学会誌, 第42巻(通巻489号), 53-56., 1994)等がある。