はじめに

 

 

 


  ● 機械知能系の学生とコンピュータプログラミング
    機械系の学生にとって、ある時代までコンピュータプログラミングといえば数値計算に用いるための
   もの(練習・演習)であった。最近ではデータ処理一般に用いられることもあるが、それすら表計算ソフトで
   十分なことも多いと考えられる。
    上での数値計算の対象は熱・流体工学を始め、材料力学・工学、機械力学など機械系全般に関わるものであるが、
   近年、そのパッケージ化が進み、個人で大規模なプログラムを組む必然性も薄らいでいる。
    一方、近年のロボットを含む計測・制御分野では、コンピュータが関わらない方がまれであり、ここに
   投入されるコンピュータプログラムは汎用化が難しい部分もあるため多くの場合個々にプログラムを組むことが
   必要である。

    上記を簡単にまとめると、ターゲットとなるコンピュータは

    数値計算  −> パソコン
    計測・制御 −> マイコン

   となり、学生側からすればマイコンのためのコンピュータプログラミング学習の方が直に役立つと考えられる。
   

   ● マイコンのコンピュータプログラミング
    現在、マイコン(学習)のためのプログラミング言語としてはC言語が最も適切であろう。
    そして、Arduino(アルドゥイーノ)[ある種のマイコン環境]のスケッチ(プログラミング言語と考えてもよい)に
    代表されるようにユーザーの本質的な(あるいはメインの)プログラミング以外は隠ぺいするやり方が
    初学者には理解しやすいと考える。


 


  ターゲットとなるマイコンの選定
    ・マイコンの定義:本講義でいうマイコンとはマイコン本体ばかりではなく周辺回路も含むものとする。
    (1) 安価(最高で数千円)であり、入手が容易なもの。
    (2) 動作させるためのはんだ付回数がなるべく少ないもの。
    (3) 開発環境(ソフトウエア)が安価(なるべくであれば無償)なもの。

 


  選定したマイコンの一例

         PIC18F4553使用 USBマイコンボード
         (株)秋月電子通商 AE-USBPIC44(PIC18F4553)
 

   仕様および特徴

         USB2.0対応、ICSPコネクタ付
    電源LED、リセットスイッチに加え、LEDx1、スイッチx2付
    電源は5Vで動作させます。
    プログラムメモリ:32KB、SRAM:2KB、EEPROM:256バイト
    ADコンバータ:12ビットx13ch(最大)

   LCD付ベースボード例
 

   LCDの仕様

     (株)秋月電子通商 取扱 ACM1602NI-FLW-FBW-M01
               (Xiamen Zettler Electronics Co., Ltd.)
         
    16文字x2行表示、I2C接続のキャラクタLCDモジュール

    ※本LCDモジュールを5V駆動しています。
     バックライトLEDの電流制限抵抗に150Ω抵抗、
     コントラスト調整の半固定抵抗は5kΩを使用しています。
  

 


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