はじめに
用意するもの
結果の記録やメモ用に、鉛筆とワークシートを必ず用意してください。
このソフトには電卓の機能がついていますが、自分の電卓を使う場合はそれを用意してください
このソフトは古典的な心理物理学的測定法を用いて精度と確度をどの様に測定するのかと、それら2種類の概念で実験結果をどの様に記述するのかの2点について示します。
心理物理学的な問題のひとつは弁別の限界についてです。違うということがわかるためには2つの刺激はどの程度違わなければならないのでしょう。心理物理学の文献では、標準(固定)刺激から明確に弁別できる刺激の最小の差異を丁度可知差異(JND)といいます。標準刺激から明確に弁別できない刺激の範囲は不確定帯(IU)と定義されています。丁度可知差異(JND)や不確定帯(IU)が小さい場合、一連の調整(あるいは判断)の結果は精度が高いといわれます。
もうひとつの問題はふたつの刺激が等しくみえることについてです。標準刺激の大きさと等しくみえる刺激の大きさの平均は主観的等価値(PSE)として知られています。PSEと客観的等価値(POE)との差が小さい場合、一連の調整(あるいは判断)の結果は確度が高いといわれます。
精度と確度を測定する3種類の古典的な心理物理学的方法は、恒常(刺激)法、極限法、調整法です。各々の方法は互いに他の方法とは一線を画する独特の特徴を持っています。これらの方法の違いについてはマニュアルのあとがきの部分で述べられます。
3種類の心理物理学的測定法を利用することで、あなたは:
- 心理物理学の領域での実施体験を得ます。
- 3種の方法の間の違いを学びます。
- 各方法において、どの様にデータを分析するのかを学びます。そして、
- 心理物理学の諸概念を学びます。
このソフトの中のウェーバーの法則とミュラー・リヤーの錯視では、精度と確度が明確に区別される概念であることを示します。ウェーバーの法則では、精度は標準刺激の大きさの関数として変化しますが、確度は相対的に変化しません。逆に、ミュラー・リヤーの錯視では、確度は矢羽根の向きの影響を受けますが、精度はその影響を受けません。これらのふたつの概念について勉強することで、あなたは: