設備紹介

2次元検出器搭載X線回折装置

 本装置はX線回折法により薄膜材料・バルク試料の結晶構造の評価を行うための設備であり、特徴としては、2次元PSPC(位置敏感型比例検出器:Position Sensitive Proportional Counter)をはじめとするプリアライメントされた各種光学系モジュールの交換により多彩な評価手法に容易に対応できること、また湾曲多層膜ミラー(ゲーベルミラー)によりX線の発散を押さえた高強度平行ビームを使用して高精度の測定が行えることなどが挙げられ、開発される様々な材料・デバイスに対して高度な構造評価が可能である。本装置において測定可能な手法の中で主要なものは、配向解析、反射率測定、高分解能X線回折、斜入射X線回折の4つが挙げられる。2次元PSPCに加え、試料水平型ゴニオメーター、XYZステージとレーザービデオ顕微鏡の組み合わせにより、試料の前処理を必要とせず試料調整が容易で、微量試料での迅速測定が可能となり、多数の試料の連続測定を効率良く行うことが可能である。


さらに、通常の検出器では膨大な時間と労力を必要とする逆格子空間上のマッピング測定が短時間かつ簡便に測定可能である。この測定により結晶の配向解析、エピタキシャル膜のストレス測定、単結晶の面方位の決定、未知の結晶構造の同定などを行なうことができる。特に高感度薄膜磁歪材料・極薄膜電歪材料の開発においては結晶異方性の評価は極めて重要である。

形式

Bruker D8 Discover(BRUKER AXS社製)

仕様および性能

  1. 検出器:2次元PSPC(Hi-STAR)
  2. ゴニオメーター:1/10000°ステップ
  3. 可動軸:7軸制御
  4. 測定領域:100μm以下