設備紹介

物性特性評価装置(PPMS)

 本装置は液体ヘリウム温度(4.2K)から400Kまでの広い温度範囲、最大9テスラの磁場下においてユニットの交換によりニーズに応じて多種多様な物性測定が可能である。ユニットとしては電気特性、磁化特性および比熱測定(オプション)が有り、電気特性の評価としては、抵抗・ホール効果・I−V曲線及びユ−ザ独自の実験等あらゆるタイプの角度依存測定に対応しており、試料を簡便に取付け自動で測定が可能であり、優れた電気トランスポート測定が実現できる。(ACトランスポートユニットにより、AC抵抗、4・5端子ホール効果、I-V曲線及び臨界電流の測定、DC抵抗測定システムにより、van der Pauwと4端子抵抗測定が可能。)磁化特性の評価としては、PPMSの自動化された温度と磁場制御のもとで行われ、ソフトウエアにより優れた磁化測定を可能である。(単結晶や薄片フィルム等の小さな異方性試料の測定用に特別に設計されたトルク磁力計により、磁場と温度の全域にわたり全自動により高感度に磁力トルクの角度依存性の測定が可能。)


また、強磁場を発生する為の超伝導マグネットを冷却する為には液体ヘリウムを必要であるが、本装置は冷凍機を内蔵しており、蒸発したヘリウムを直接デュワー内で再凝縮することで液体ヘリウムの注入を不要とし、コストの削減及び長期間に渉り連続的に使用することが可能である。

形式

PPMS-9(カンタム・デザイン(株)社製)

仕様および性能

  1. 温度範囲:1.9K~400K、4.2K以下で連続制御可能
  2. 印加磁場:最大±9T(90kOe)
  3. 制御:コンピューターにより全自動制御
  4. 寒剤:ヘリウム再凝縮器により圧縮ヘリウムガスより供給
  5. 拡張性:DC/ACトランスポート、トルク測定、VSMユニット