ハイテクリサーチセンター整備事業とは?

 本事業は、外場(磁場、電場または温度)により巨大な変位が期待される薄膜材料の創製を行い、加えて微細加工を施すことにより外場誘起ナノデバイスの開発を行うものである。具体的には、超構造薄膜作製用蒸着システムおよび多元合金薄膜作製用スパッタ装置を用いて、Ni-Mn-Ga系を始めとした温度により大きな変位が期待される形状記憶合金材料、(Sm,Tb,Ga)-Fe系等の磁場により巨大な変位が得られる磁歪材料、電場により大きな変位が得られる圧電性材料、弱磁場で容易に記録が可能な次世代磁気記録媒体材料、さらにインプリント技術を構築するためにガラス転移温度が低く、容易にナノ構造の金型(テンプレート)製作が行える金属ガラス薄膜等の創製を行う。さらに申請した電子線描画装置を用いて、上記材料をベースとするナノメーターサイズのデバイスを作製し、申請した各種測定装置による磁気特性、弾性特性、ナノ構造の評価を基に外場により機能性を発現するナノデバイスとしての、工学あるいは医学等の分野への応用を検討する。本研究組織は学際的に編成されており、構成メンバーの専門研究分野は結晶学的・電気的・磁気的・機械的・力学的な特性評価、計算機シミュレーション、さらには実際のデバイスへの応用開発まで、本研究を遂行するために必要な範囲を網羅している。本事業は、最終的には、医療用バイスや高性能化する携帯端末へ応用可能な、磁場駆動素子、応力-圧力機能性素子、熱磁気駆動素子、磁気冷凍材料、発熱吸熱素子、振動感知デバイス、方位センサ一等への応用展開を目指しており、本事業を推進することにより、ナノ構造制御・新物質の創製技術、ナノ計測・解析・造形技術ならびにナノ材料の計算機シミュレーション等の次世代を担う基盤技術の更なる発展が期待され、21世紀のナノテクノロジー・材料分野を中心とした多様な産業の発展に大いに貢献できるものと考えられる。

(1) ハイテクリサーチセンター推進拠点

東北学院大学大学院工学研究科

(2) 研究代表者

教授 鹿又 武

(3) 研究分担者

  • 教授  伊達秀文
  • 教授  石橋良信
  • 教授  木村光照
  • 教授  嶋 敏之
  • 教授  中沢正利
  • 教授  原 明人
  • 准教授 武田三弘
  • 准教授 鈴木仁志
  • 准教授 菜嶋 理
  • 准教授 薮上 信
  • 准教授 山本英毅
  • 准教授 韓 連熙
  • 講師  桑野聡子

(4)研究テーマ

  1. 高感度薄膜磁歪材料・弱磁場感応型磁気記録媒体の作成及び評価
    1-A. 高感度薄膜磁歪材料の作成及び評価
    1-B. 弱磁場感応型磁気記録媒体の作成及び評価
  2. 磁場誘起延性強磁性形状記憶合金の探索及び評価
    2-A. 弱磁場下で形状記憶可能な合金の探索
    2-B. 組織制御に優れた形状記憶合金の作成
  3. 薄膜電歪材料の創製とデバイスへの応用
    3-A. 極薄膜電歪材料の形成とその共振型振動センサーへの応用
    3-B. 共振型振動センサーへ使用する材料の電気的、機械的特性の評価および試作デバイスの疲労・耐久性評価